必要があって図書館で何枚かショパンの CD を借りました。


コルトーはメインではなかったのですが、じっくり聴いたことがなかったので借りてみました。


 


コルトー、ティボー、カザルスといえば最高のトリオです。


ジャック・ティボー、はマルグリット・ロンとともに創設(1943年)したロン=ティボー国際コンクール(ヴァイオリンとピアノだけ)でも有名ですし、アルフレッド・コルトーはオーギュスト・マンジョと共にエコール・ノルマル音楽院を設立しています。


エコール・ノルマルは工藤さんが教えている音楽院としてフルート吹きにはおなじみです。








この CD は SP からの復刻ですのでスクラッチノイズはたくさん入っています。


 


 



 


しかしこれを聴き始めてワルツ第1番が進んでいくと、まるで古い演奏という感じがしなくてこうあってほしいというショパンのワルツに対して持っているイメージ通りに演奏されていることに深い驚きを覚えました。


 


ポリーニのような完璧な技巧を持っているわけではありませんが、SP でもわかるそのダイナミクスの変化とタッチの変化による表情はまさに歌です。


心情が伝わる演奏というのはこういう演奏をいうのです。


 


評価しない向きにはこんなにルバートをきかせた演奏はショパンではないと言われているようですが、先日読んだ音楽家の病気を取り上げた本からも伺えるように、ショパンは決して楽譜どおりではなかったようなのです。


楽譜は不完全な手段ですのでもしコルトーが演奏したスタイルをそのまま記そうとしたら極めて演奏しづらいものになってしまうはずです。


演奏が再現芸術である所以ですし、まさに才能が現れる作業でもあります。


 


この「音楽」を聴いてしまうと、きっちり楽譜通りに弾いたと思われる演奏がつまらなく思えてしまいます。


 








Wikipedia には弟子の名前として ディヌ・リパッティ、クララ・ハスキル、遠山慶子、エリック・ハイドシェックの名が挙げられていますが、なるほどと思える顔ぶれです。


 


スタイルは違いますがこれにベネデッティ=ミケランジェリ、リヒテル、ポリーニを加えれば評価するピアニストが揃ってしまいます。


 


遠山さんは聴いたことがないので今度聴いてみようかと思います。










今までコルートーをじっくり聴かなかったことでずいぶん時間を無駄にしてしまったように思えてきました。










ショパン : ワルツ集&バラード集(グランドマスター・シリーズ・エクストラ -GR編-)



  • アーティスト: コルトー(アルフレッド),ショパン

  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン

  • 発売日: 2001/02/21

  • メディア: CD








次は他の曲も聴いてみましょう。


でも、バラードやポロネーズは今の所ポリーニから離れられません。