現代のフルートは大抵 A=442Hz で使えるように設計されています。


 


 






ピッチは頭部管を大体 5mm くらい抜いた状態を標準としています。


 


楽器は暖まってくるとピッチが上がり、冷えていると下がります。


なので例えば本番前に合わせていても出番を待つ間に下がってしまいます。


そこで大抵演奏直前に舞台上でピアノと合わせる事になりますが、演奏している間にピッチは上がってしまうので演奏中に耳でチェックしなければなりません。


 






通常は調整する必要がないのが反射板ですが、普通はこのように掃除棒の線が歌口の中心に来れば問題ありません。


この線から反射板までは 17mm で、楽器によって微妙に異なる場合があります。








1セントは半音の 1/100 です。








反射板が歌口の中心から遠ざかると実質的な管長(管内の空気の長さ)が長くなるのでピッチは下がります。










近づくとピッチは上がります。


 


 


測定の都度反射板を動かして頭部管をセットしていますので、厳密な測定にはなっていません。


大体の傾向を示すものと思ってください。








反射板は自信のない人は弄らない方が無難です。


チェックしてみてズレていると思ったら先生か楽器店に依頼してください。


チェックするにあたっても掃除棒が中心に保持されていなかったり、正面からでなく少しズレた位置から覗き込んでいると視差によって正しく観察することができませんので注意が必要です。



 





頭部管の長さそのものにも多少の違いがありますので、自分の楽器の傾向を知っておくことも無駄ではないかもしれません。








 


左が相原さんの増永モデル、右が Kaorimo です。


頭部管の端(写真の下部)から歌口の中心までの長さに違いがあるのがご覧いただけますでしょうか?





なお、頭部管の外形寸法を測っても内部の長さはわかりません。


反射板からクラウンまでの長さ、クラウンの形はそれぞれ違います。


muramatsu は反射板からクラウンまでの長さが長いようで、頭部間全体の長さが長く他社のものや一般的なハードケースでは頭部管が収納できない場合があります。





さて最初の話にちょっと戻りますが、楽器が暖まるとピッチが上がるのは管内の空気が暖められて密度が低下(膨張)し、その結果音波の伝わる速度が速くなるからで、管の素材である金属や木材がが温度変化によって伸縮するからではありません。





反射板は自信のない人は弄らない方が無難です。


チェックしてみてズレていると思ったら先生か楽器店に依頼してください。


チェックするにあたっても掃除棒が中心に保持されていなかったり、正面からでなく少しズレた位置から覗き込んでいると視差によって正しく観察することができませんので注意が必要です。


 


楽器の設計や演奏者の使い方によって頭部管の抜き方だけでは合わせきれない場合は反射板の位置をずらすという手もなくはありませんが、位置をずらすと全体のスケール(オクターブ間の開き)が変わってしまいますので、頭部管の回転によってコントロールするのが無難です。


 


極端にピッチが違う楽器を今使うことは少ないと思います。


せいぜい 440Hz くらいのところでしょう。


きちんと設計された楽器であれば頭部管を抜く量を少なめにすることで対処できるはずです。