''11.08.21 追記。 掲載した雑誌、CD の写真についてご指摘をいただきましたので Amazon のリンクで表示されるもの以外は順次修正あるいは削除しています。

ポール・モーリア

  • 作者: セルジュ エライク
  • 出版社/メーカー: 審美社
  • 発売日: 2008/01/15
  • メディア: -


イージーリスニングが全盛だったのはもうずいぶん前の事になってしまいましたが、あまり関心のない方でもポール・モーリアと彼のアレンジした「恋は水色」を知らない人は少ないでしょう。

ラブサウンズとも呼ばれた音楽は巷に溢れ、新しい楽団もずいぶん出現しましたが、今残っているのはどのくらいあるのでしょう。
ポール・モーリアやレイモン・ルフェーブルを筆頭とするフランスのオーケストラが老舗で人気もあり、最盛期が過ぎても新譜が出ていましたね。

そうした音楽の担い手たちの録音は店頭に並んでもオーケストラやそのリーダーについて書かれた本は意外に見る事ができませんが、しばらく前に山野楽器の店頭で見つけたのが写真の本です。
知らない人はいないだろうと思われる彼のアレンジになる「恋は水色」誕生のエピソードについても触れられています。


作詞ピエール・クール、作曲アンドレ・ポップによるこの曲は 1967年4月、ウィーンで行われる「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」のエントリー曲として書かれました。
この時優勝したのはポール・モーリアも録音している「恋のあやつり人形」で、「恋は水色」は4位でした。
これらのコンテスト入賞曲はポール・モーリアやレイモン・ルフェーブルがアルバムに収めていました。Philips レーベルでの五枚目となるポールのアルバムの中に「恋は水色」も収められました。

この年にアメリカでもアルバムが発売されましたが、ミネソタのラジオ局でこの曲がオンエアされたのが人気に火が付くきっかけとなりました。
1968年の1月初め『キャッシュ・ボックス』誌と『ビルボード』誌に99位で初登場し、2月10日に1位となってから6週間(7週間という話も)その座に留まりました。トップの座を明け渡したのはビートルズの「ヘイ・ジュード」にで、「ヘイ・ジュード」は10週間トップの座にありました。

ポール自身の言葉によればこの曲のアレンジには特別な事はしていない(いつも最善を尽くしている)が、そんなにヒットするだろうとは思っていなかったものの、この曲は大好きでコンテストで優勝できなかった事はとても残念だったとの事です。
録音の時、殆ど終りかけた時に前奏にクラブサン(チェンバロ)を入れる事を思いついたのだそうです。当初は前奏部分(間奏にもでしょうか?)は違っていたのですね。


私が初めてこのアレンジを聴いたのはいつだったのか憶えていませんが、中学生頃だったのではないかと思います。とても気に入ったのでオリジナルのレコードも買いました。
オリジナルを歌った(コンテストに出場した)のはヴィッキー=レアンドロスというギリシャ人の歌手でしたが、レコードにもヴィッキーとだけ印刷されていたように思います。


その動画がありました。私も視るのは初めてです。



歌は記憶にあるそのままです。
今でも通用しそうな感じですね。


どこの番組でか、森口博子さんがフランス語で歌っています。
歌詞が画面に出ます。


オリジナルはアレンジも録音も振り付けも時代を感じさせます。
歌はともかく、このままでは世界的なヒットになる事はなかったでしょう。


当時のポール・モーリアのオリジナルの演奏です。



こちらも同じ頃のものですが、画質と音質は劣ります。

http://www.youtube.com/watch?v=4sbtZK9558Q&feature=related


こちらはもう少し新しいものですが、BS2 の文字が画面に見えます。




「涙のトッカータ」もどうぞ。こちらも BS2 の文字が見えます。
ちょっとテンポが速めです。




こちらはヒット当時と思われる映像で、ゆっくり目のテンポです。
ポール自身がピアノを弾いています。




NHK で放送されたらしい映像です。
最も新しい録画と思われるもので「カーニバルの朝(黒いオルフェ)」を。




私が一番よく聴いたのは "Reflection 18" と名付けられたいろいろなアーティストのシリーズの中の1枚でした。
スティービー・ワンダーの「サンシャイン」も入っていましたが、この曲はどういう訳か再録される事が少ないです。著作権の問題でもあるのでしょうか?
ディスコブームの時にリリースされたアルバム『ラヴ・イズ・スティル・ブルー(恋は水色 '77)』もよく聴きました。ついでは来生たかおのアルバム「ラビリンス」ですね。
忘れられないのは 金子由香利さんの「再会」を収めた盤ですね。この曲もあまり他には収録されていないようです。
映画音楽を集めたアルバムの「ゴッドファーザー」「ロミオとジュリエット」もとても好きなアレンジです。

オリジナル曲では「蒼いノクターン」が最高傑作でしょう。

先日映画『ある愛の詩』を取り上げた時 YouTube でこれらの動画を視てしまったのでとても懐かしく思い、取り上げずにはいられませんでした。