普段見る事がないものを見るとおやと思う事があります。


こちらはいつもの病院から発行されたいわゆる紹介状です。


疾患といえば疾患ですが、処置をした方が良いという判断で以前入院した病院に行くことになりました。


日帰りですが、腫れが引くのに一週間くらいはかかるそうです。


 


美容整形ではありません。


 


健康保険も使えて医療保険からも給付金がもらえます。


 


さてこの封筒の表に書かれた「御侍史」ですが、医療関係者だけで使われている表現だそうで組織宛の「御中」と同じようなものです。


「おんじし」と読むのが正しいようですが、「ごじし」「おんたいし」などと発音されることもあるようです。


「おんたいし」は多分「御待史」と表記しているようです。


学校の先生にはそういう表現は使わないと思いますが、お医者さんは知的レベルも社会的地位も高いので「先生」という尊称がついているのにさらに付け足されているわけです。


特に製薬会社などから先生宛に作成する文書などでは当たり前のように使われているようです。


 


「侍」は「はべる」で、お付きの人とか秘書とかを指す表現だそうですが、


 直接お送りするのは畏れ多いので秘書の方に宛ててお送りします


 よろしくお取次くださいますようお願いいたします


というような意味合いであるようです。




なので「待」ではなくて「侍」が正しいでしょう。








さて最近読んだ福岡伸一さんの本にこんな箇所がありました。


ファンの間では五月の四番目の日はスター・ウォーズ・デイなのだそうです。


May the force be with you.


force と fourth の発音が近いからですね。


これは有名なセリフなのですが、日本語の「フォースと共にあらんことを」は原文通りでなくニュアンスが変えられています。


 


分解すると


  may the force


 フォースが〇〇でありますように


  be with you


 あなたと共にある


 


つなげると


 フォースがあなたと共にありますように


 → フォース共にあらんことを


ですが聴き慣れた日本語表現では


   フォース共に(あなたが)あらんことを


です。


 


少し理屈っぽくなりますがこれだと


(大いなる力である)フォースのそばに常に居るように


 →フォースのそばを離れないように


となってしまって、やっぱりニュアンスが違うなあと思うのであります。


 





ツチハンミョウのギャンブル



  • 作者: 福岡 伸一

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋

  • 発売日: 2018/06/29

  • メディア: 単行本






この本では巻末の阿川さんとの対談で『アリとキリギリス』に話が及びますが、福岡さんは「まったくもってアリとキリギリスの本質をわかっていない」とおっしゃっていますが、イソップ物語のオリジナルのギリシャ語版ではキリギリスでなくてセミであったものが変更された(ヨーロッパでは馴染みがないから)という説にまでは言及がないのでおそらくご存知ではないのかなと思います。


興味深いのはそのことだではなくて阿川さんが「あ、セミと同じ?」とおっしゃっていることで、これはまことに鋭いと舌を巻きました。


 


そのセミを擬人化して描いた絵画などについては以前取り上げましたので宜しかったらご覧になってみてください。


https://music-1000.blog.ss-blog.jp/2016-04-07