銀座の(株)創美さんの名品展で展示されていた KPM の陶板画です。
この絵を最近何かの本で見たのですが、すぐには思い出せません。
この絵は「酒場のレンブラントとサスキア」とも「放蕩息子」とも呼ばれますが、全然関係なさそうなタイトルがなぜあるのかということはその本にも記載がなく、疑問でした。
だいたい、若いきれいな奥さんをもらったばかりだとしても、旦那はグラスをこのように掲げて見る人をこんな風に見るものでしょうか?
改めて調べてみるとどうやらこの絵は描き直されているらしく、左側のサスキアの下に別の女性(酒場の女らしい)の絵が描かれていたようなのです。
レンブラントは服装を始めとして大層贅沢が好きだったようで、どうやらこれは放蕩の限りを尽くしているその場面であるようです。
それはともかくとして、この陶板画はおもわず言葉を飲み込んでしまうほど見事な出来栄えです。
許可を得て撮影しています。
この目の表現はどうでしょう。
まるで画面の向こうから見つめられているようではありませんか。
得意そうな顔。
実はきれいなお姉ちゃんを前にしてご満悦らしいのです。
よく見る KPM の作品では一番大事な顔の表現はこの上なく入念に描かれますが、服装は比較的控えめな表現である場合が多く見られます。
それは描けないということではなくて最も見せたい部分を強調するということです。
ところがこのような名画の再現ではオリジナルをできる限り忠実に描き出しますから、服の表現も見慣れたものとは違い、レンブラントのオリジナルを見ているかと思うほどの出来栄えになっています。
画集では細部がよくわからない帽子の上も、羽根飾りであることがよくわかります。
左端にいるのは孔雀のようですが、はっきりしません。
表面の状態を見ます。
剣の部分。
KPM では最も白い部分(ハイライト)は特別な理由がない限り陶板の白さで表現するため顔料は使わず、その部分は窪んだようになります。
この絵ではそれほど白い部分はありません。
人物のきれいな白目の部分でさえ真っ白ではないのです。
明日はもう一つの見事な作品をご紹介します。
明日の朝はお墓に行かなければならないので更新はお休みします。
花が増えてきたところで残念ですが、やむを得ません。