「東京六人組」 [CD]
- アーティスト: 東京六人組,プーランク,ルーセル,ドビュッシー,デュカス,フランセ,ラヴェル,寺嶋陸也,浦壁信二,磯部周平,川島素晴
- 出版社/メーカー: オクタヴィアレコード
- 発売日: 2015/10/23
- メディア: CD
新しいアンサンブルですね。
メンバーは
フルート:上野 由恵さん(洗足学園音楽大学、ムラマツレッスンセンター講師)
オーボエ:荒 絵理子さん(国立音楽大学非常勤講師)
クラリネット:金子 平さん(読売日本交響楽団首席奏者、紀尾井シンフォニエッタメンバー、
東京藝術大学非常勤講師)
ファゴット:福士 マリ子さん(東京交響楽団首席奏者、洗足学園音楽大学非常勤講師)
ホルン:福川 伸陽さん(NHK 交響楽団首席奏者)
ピアノ:三浦 友理枝さん
の各氏です。
録音は今年7月、相模湖交流センターです。
帯には「日本版 "ル・ヴァン・フランセ"」とありますが、正しくは「レ・ヴァン・フランセ」です。
Le は男性不定名詞で「ル」、Les は複数定冠詞で「レ」だそうです。
Les Vents Français は「フランスの風」という意味だそうです。
六重奏といえば以前取り上げました「ゼクステット魅生瑞(みゅうず)」が素晴らしいのですが、同じ編成のこちらはどうかなと興味を持っています。
http://music-1000.blog.so-net.ne.jp/2008-03-18
「魔法使いの弟子」をこの人数でやるのもすごいですし、「ボレロ」は全員が楽器を持ち替えるというのです。
しかし「六人組」というネーミングはちょっとどうかなと思います。
「ロシア五人組」というのはありますが。
「ゼクステット魅生瑞」だって字面で損していると思うのですが、まあ他人がとやかく言っても仕方がないですね。
明日また出かけるので iPad に入れて聴いてみようと思います。
感想はそのうちアップします。
※追記。
明日はまた早めに出るので朝の更新はお休みします。
グノー:「私は夢に生きたい」 [CD]
オケはスイス・イタリアーナ管弦楽団、指揮はマルチェロ・ロータとありますが、全然知りません。
Marcello Rota はニーノ・ロータの親戚らしいですが、チェコ・ナショナル交響楽団との録音が結構あるようです。
英文のプロフィールが NAXOS のサイトにあります。
http://ml.naxos.jp/artist/64779
Orchestra della Svizzera italiana はスイス・イタリア語放送管弦楽団、ルガーノ放送管弦楽団と表記されることもあるそうで、2008年からはミハイル・プレトニョフが首席客演指揮者を務めているようです。
セルジュ・ボド、ヘルマン・シェルヘンらの名前も挙げられていてアルゲリッチやナカリャコフとの録音もあるようです。
Mariella Devia については日本語の情報がほとんどありませんが、2011年に東京オペラシティで公演を行った時の招聘元にプロフィールがあります。
実力派のようです。
ベッリーニやドニゼッティが得意のようですね。
早速グノーを聴いてみましたが、「これ、これ」とまず嬉しくなりました。
しかし歌い方は森さんとはやはり違いがありますね。
次のアルバムで録音してくれないかなと期待しています。
「宝石の歌」も良かったので、それも一緒に。
夕方、夕焼けは見られませんでしたが、夕日が黄金色でした。
群舞のようです。
羽虫がたくさん飛んでいました。
白が遅れて咲きました。
秋は写真の季節です。
聴いてみた:池田昭子クインテット [CD]
車の CD プレーヤーが不調でごまかしながら使っていましたがとうとうディスクのイジェクトもうまくいかなくなったので先週ディーラーで交換してもらいました。
もう 10年以上乗っているので新品は手に入らず、オーバーホールした再生品です。
早速池田昭子さんのアンサンブルを聴き始めましたが、内容については微妙なところです。
もちろん日本の有名オーケストラのトップ奏者ばかりですから私たちのようなレヴェルとはそもそも比較の対象ではないのですが、そういう比較ではなくてプロのアンサンブルとしてどうか、というポイントです。
たまたま "ザ・フルートカルテット" の神田さんの編曲による「小組曲」が入っているからというわけではないのですが、形態は違うもののアンサンブルとしての練り上げられ方はまだ物足りないという印象です。
録音は優秀ですが、ワンポイントマイクセッティングによる収録はメリットもデメリットもあります。
収録場所の響きもよく拾われていて過度にオンでなくて演奏会の雰囲気が味わえますが、井阪 紘さんが書いていらしたように録音という作業を経た CD という商品は単なる記録ではないのです。
ワンポイントを基本にしながら曲の部分によってはマルチマイクを併用するような音作りがあっても良いのではないかと思います。
と言いますのは個々の演奏者が最大限に表現しているであろうニュアンスやデュナーミクや音色の変化が十分拾いきれたいないともどかしく感じられるところがあるのです。
アンサンブルに関しましては、トップ奏者の方々ばかりですから技術的なことは特に言うことはありません。
しかし常設で長い歴史のある同様のアンサンブルと比べますとまだ一つの団体としての個性が確立されているかと言えばまだと言わざるを得ません。
神田さんのアンサンブルはフルートだけですが、メンバーの交代はあったものの強力な結びつきが感じられ、フルートだけであるということを忘れてしまいそうなほど多彩な響きを聴かせてくれます。
池田さんのアンサンブルではまず一人一人の音色に "もう少し" と言いたくなるものを感じてしまうのです。
フルートに限って言うなら私は工藤さんのような響きを支持しますので、止むを得ない要求なのではありますが。
クラリネットはつくづく難しいのだなと感じさせる音色です。音域によって全く異なる表情を見せる、それがクラリネットの音の最大の魅力です。
楽器の音というものは優れたアンサンブルにおいては(オーケストラでも吹奏楽でもそうですが)例えばフルートとクラリネットが同じメロディーをなぞっている時、フルートとクラリネットが鳴っていると聴こえるのでなく二つの楽器が一体となった一つの楽器となって響くのが理想だと思うのです。
それは単に縦の線が揃っているということだけではないのです。
これからこのアンサンブルがどれだけ響きを練り上げて歴史を重ねていけるか、それはこれら日本のトップ奏者たちにとっても決して容易な道ではないはずだと思います。
明日はお天気が悪いようですし、早く出なければならないので朝の更新はお休みします。
12月の日程が決まりました。
練習しなければ。
池田昭子さんのクインテット [CD]
2015年5月録音の新譜です。
メンバーは
オーボエ:池田 昭子(NHK交響楽団)
フルート:倉田 優(読売日本交響楽団)
クラリネット:篠﨑 由依(セントラル愛知交響楽団)
ファゴット:河村 幹子(新日本フィルハーモニー交響楽団)
ホルン:豊田 実加(神奈川フィルハーモニー管弦楽団)
の各氏です。
豊田さんは習志野高校のご出身とあります。
場所はフィリアホール。
ワンポイントマイク、HD録音でダイレクトカッティングマスタリングとありますので音質も音場感も期待できます。
「カルメン組曲」の編曲者はモラゲス五重奏団のオーボエ奏者だそうです。
「小組曲」は神田さんですね。
木管アンサンブルは難しいのです。
良いアンサンブルを聴きたい、芸術の秋ですのでそんな気持ちが高まっています。
- アーティスト: 池田昭子クインテット,池田昭子,倉田優,箱﨑由衣,河村幹子,豊田実加,ビゼー,イベール,フランセ,ドビュッシー,ジョリヴェ,プーランク
- 出版社/メーカー: マイスター・ミュージック
- 発売日: 2015/09/25
- メディア: CD
ブレインのモーツァルト、ヴァントとも [CD]
先日の新人演奏会で久しぶりにモーツァルトのホルン協奏曲を聴きました。
第3番 変ホ長調 Kv.447。
長いこと聴いていませんでしたが、記憶は鮮明に蘇ります。
デニス・ブレインのソロもカラヤンとフィルハーモニア管弦楽団の演奏も素晴らしく、どんな新しい「天才的」なホルン奏者の演奏を聴いても結局はこの録音に帰ることになります。
初めて聴いたのは高校生の頃で、ステレオ LP でしたが、オリジナルはモノラルで疑似ステレオ化したものでした。
初めて聴いたのがブレインの録音というのはなんと幸運なことでしょう。
困難なことなど何もないと言わんばかりの自然そのものの音楽、それはホルン奏者のみならず全ての管楽器のお手本といっても良いでしょう。
少なくともモーツァルトのコンチェルトを演奏しようとする管楽器奏者はこの録音を聴くべきでしょう。
きっと一度は自分の演奏に絶望し、やがて力をもらって這い上がろうとするでしょう。
高校生の頃、協奏曲4曲の楽譜(ピアノ伴奏)を取り寄せ、練習したものでした。
楽器はホルンではありませんが、E♭管の楽器です。
特にこの3番は一番のお気に入りだったので今でも暗譜で演奏できそうな気がするほどです。
あの日の演奏で驚いたのはイントロが大幅に短縮されていたことで、最初は混乱しましたがすぐに大部分がカットされたのだということがわかりりました。
ホルンにも伴奏にも特別なものは感じませんでしたが、デビュー演奏会でこの協奏曲を取り上げるというのはすごい度胸だと半分は同情のような気持で聴いていました。
さて久しぶりにリマスターされた CD でも聴こうかと探しているとレコードからの復刻や SACD とのハイブリッド盤などが見つかりました。
- アーティスト: ギュンター・ヴァント,ヴァルター・ブラウンフェルス,モーツァルト,タデウシュ・ベイルド,ケルン放送交響楽団,バイエルン放送交響楽団,デニス・ブレイン(Hrn),ローター・ファーバー(Ob)
- 出版社/メーカー: PROFIL
- 発売日: 2012/06/10
- メディア: CD
ギュンター・ヴァントとケルンWDR交響楽団(ケルン放送交響楽団)と共演した盤が見つかりました。
これは知りませんでした。
タデウシュ・バイルトの「四つの対話」、ヴァルター・ブラウンフェルスの「ベルリオーズの主題による幻想曲」 Op.25 とともにモーツァルトの3番が収められています。
放送用のセッション録音で、1951年1月22日とクレジットされています。
震えるような思いでブレインの初めて聴く演奏に触れます。
フルート・リサイタル/ジュリアス・ベーカー [CD]
探すつもりではなかったのですが、たまたま見つけました。
先日ご紹介しました楽譜の曲が演奏されています。
ブックレットの文章は峰岸壮一さんです。
昭和40年9月22日。
マイク以外の機材はわかりません。
初来日は 1963年ですから、二回目以降の時の録音ですね。
初来日の時の曲目と同じなのは
ソナタ(プーランク)
「ポエム」(グリフス)
で、そのほか JFC の楽譜の曲が二曲。
ここで多分 B♭足部管を使っています。
ジョン・フレッチャーとアイファー・ジェイムズ、ダニエル・デファイエは買いましたが、この CD は買いませんでした。
中古はなかなか見つかりません。
検索でひっかかっても行ってみると購入できないという表示が出ます。
この CD は 2004年に再発売されたもので、今現在 Amazon に一枚あるものが 1994年のオリジナルです。
かなり高くなっています。
時間をみて聴いてみましょう。
浄化される 森 麻季 さんの歌声 [CD]
昨日の NHK の歌番組で 森 麻季 さんの「朧月夜」を聴きました。
いつもは森さんが出演されるような内容ではないのですが、クラシックの歌手が出演されることもたまにあります。
ああ朧月夜か、と聴き始めてその声を聴いた途端、その世界に引き込まれてしまいました。
美しい日本語の歌詞に明快な日本語の歌唱、情感豊かで目の前に歌の描く光景が現れたかのようなその歌声にすっかり引き込まれてしまいました。
こんなにいい歌だったのかと改めて認識しました。
言葉の響きや言葉を生かしたメロディーが織りなす歌の魅力というものを、今流行りの曲は忘れてしまったのかもしれません。
森さんは番組のカラーに合わせたかのような衣装で、他の出演者から浮き上がらないように配慮されていました。
マイクは前に二本立てられて他の歌手たちとは扱いが明らかに違いました。
他の歌手の方たちもそれぞれ上手い方たちなのですが、格が違うという他ありません。
森さんの声の質はとても魅力的ですし、「朧月夜」の発声はオペラとは違う日本の歌にふさわしいもので、このシンプルで情感豊かで美しい歌の魅力を最大限に表現したものと思えました。
他の歌も聴くのが楽しみです。
心が洗われるような歌唱というのはこういうのを言うのでしょう。
CD-R に焼いて車の中でも聴くことにしましょう。
藤井香織:Voyage [CD]
先日山野楽器に立ち寄った時に買った CD です。
CD をチェックするのが習慣のようになっています。
藤井さんの CD はしばらく新しいものを見ていませんでしたので手に取ってみました。
藤井さんといえば今 YAMAHA のカタログに載っています。
使用楽器は YFL-994 BH 14K です。
以前はたしか muramatsu だったはずですが、今の YAMAHA の音がお気に入りなのでしょうか。
収録曲は
1. シューマン:アダージョとアレグロ 変イ長調 op.70
2. メンデルスゾーン:無言歌 ニ長調 op.85-4
3. ヴィドール:組曲 op.34
4. フォーレ:シシリエンヌ op.78
5. フランク:ソナタ イ長調 FWV8
です。
今までとは趣の異なる曲で、楽器も YAMAHA のゴールド、録音は ALM。
時間のある時にじっくり聴いてみたいと思います。
ピアノの裕子さんはお姉さんだそうです。
お父さんはクラリネットの一男さんでしたね。
たしか YAMAHA のユーザーでいらしたと思います。
演奏会の楽しみ [CD]
発表会や演奏会に行くと知っている曲、演奏したことがある曲、知らない曲、聴いたことがあるけれど曲名を知らなかった曲などなどに出会います。
シャンソンの CD は持っていないのですが、先日の音楽会でピアフの曲を聴いてじっくり聴いてみようかと思い買ってみました。
オリジナル音源でモノラルのものが多く、音質的にも厳しいというコメントが Amazon にも多数挙げられているのですが、そんな中最新リマスターされたものがあったので買ってみました。
こちらはオランピア劇場での公演4回分を収めた二枚組です。
私にもできそうだとかやってみたいとかオリジナルを聴いてみたいと思うのはそのとき聴いた演奏に何か感じるものがあったに違いありません。
マリア・カラスのように唯一無二で代わることができない存在だというその魅力がどんなものか、体験してみたいと思います。
東フィルの《ローマの松》 [CD]
先日のムラヴィンスキーを買った時目についたので一緒に買ってみました。
習志野シティフィルの次の定期で《ローマの祭》を取り上げるというので最新録音で聴き直してみようという気持もありました。
まず《ローマの松》を聴いたのですが、驚きの完成度でした。
東京フィルハーモニー交響楽団は千葉市と提携していて、聴く機会の多いオーケストラです。
DENON がこうした大編成を録音するというのは意外でした。
去年の 5月31日、サントリーホールでのライヴ録音ですが、鮮明に録れています。
バッティストーニという指揮者の事は知りませんでしたが、なかなか評価が高いようで、それは聴いてみて納得しました。
東京フィルハーモニー交響楽団からこれだけのスケールの大きな響きを引き出すというのは並大抵の事ではありません。
《ローマの松》の「アッピア街道の松」の五連符については以前取り上げましたが、この録音では正確に演奏されています。
http://music-1000.blog.so-net.ne.jp/2008-02-04
ただ一つ残念なのはその記事でも触れましたが、6 Buccine(2 Flicorni soprani in Si ♭、2 Flicorni tenori in Si ♭、2 Flicorni bassi in Si ♭)と指定されている楽器が、トランペットとトロンボーンで代用されている事です。
どんな楽器を使えば良いのかというのは問題ですが、先月見た楽器博物館にあるような楽器を使うというのは一つの考えです。
しかし使える楽器が残っているかどうかは問題ですので、もう少し現実的なところを考えるとサクソルン(イタリア語でフリコルノ)属の中から選ぶ事になります。
Wikipedia によればコルネット、トランペット、トロンボーン、ホルン以外のサクソルン属には次のようなものがあります。
E♭ビューグル
B♭ビューグル
E♭アルト
B♭バリトン
B♭バス
E♭コントラバス
B♭コントラバス
指定の調にあるものを選ぶと
B♭ビューグル
B♭バリトン
B♭バス
という事になりますが、Wikipedia にはここで指定されている3種類のうち二種類の写真が掲載されています。
実演でこれが使われる事があるならぜひ聴いてみたいですね。
この録音ではライヴ録音でありながら練習番号21の ff 以降のフリコルニとトランペット、トロンボーンの掛け合いや練習番号22の4小節前の fp からの盛り上がりで埋もれてしまいがちなフリコルニたちが比較的聴き取れます。
ライヴである事を考えるとよく頑張っていると言えます。
スタジオ録音なら調整は可能ですし、ライヴでも別にマイクを立てれば調整は可能だと思いますが、ここではそうした小細工は行っていないようです。
もしこれを実演でその通りやろうとするならこれらの部分のバランスが問題になりそうです。
演奏効果を第一に考えるならだんだん近づいてくる様子を描いているのですから舞台裏で演奏を始めてだんだん表に移動するというだけでなく人数を増やすという手もあるかもしれません。
聴衆は多分喜びます。
いや、スコアを知っている人でなければ聴き取れない箇所は何がなんだか分からないでしょう。
視覚効果があるでしょうから CD を聴くのとは違うところはあると思いますが。
チャイコフスキーの『1812年』でもバンダが必要ですが、大砲も必要です。
これは実演では大抵大太鼓複数台で代用されますが、録音では本物の大砲の音をオーバーダビングします。
この曲では鳥(ナイチンゲール、夜啼きうぐいす)の声が必要です。
これはまさか実際に鳴かせるわけにはいきませんので録音が使われます。
この辺が解決できるなら、「祭」の次には「松」を聴きたいですね。