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ベルリンの壁崩壊記念コンサート [DVD]

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先日購入したベルリンの壁崩壊記念コンサートの映像を視ました。

 

演奏会は1989年12月25日のクリスマスに旧東ベルリンの現在のコンツェルトハウスで行われ、オーケストラは西ドイツ、東ドイツ、アメリカ、ソ連、イギリス、フランスのオーケストラのメンバーで構成されています。

 

一回目は12月23日に西ベルリンのフィルハーモニーホールで行われ、二回目であるこれは当日ライヴ中継されたようで、映像はその録画です。

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翌年亡くなるバーンスタインはすでに病魔に侵されていて本人も知っていたようですが、エネルギーにあふれる演奏で、胸の赤いチーフで汗を拭いながらの熱演です。

随分歳を取ったなとか上半身が重そうだなとか色々感じることはありますが、にこやかでこの演奏会が開けること、東西、敵味方入り混じってこの曲を奏でることができることの喜びが全身から溢れています。

 

フルートは四人、うち一人(女性)はぴピッコロ持ち替えですが、1st は一人で、楽章によって入れ替えているようでした。

ちょっと意外だったのはホルンにアフリカ系の人がいたことで、画面に映ることも多かったです。

 

ソリストはジューン・アンダーソン(ソプラノ)、サラ・ウォーカー(メゾ・ソプラノ)、クラウス・ケーニヒ(テノール)、ヤン・ヘンドリク・ロータリング(バス)ですが、バスの方の体格が良いことに驚きました。

 

合唱はバイエルン放送合唱団、ベルリン放送合唱団、ドレスデン・フィルハーモニー児童合唱団で、オーケストラのすぐ後ろに児童合唱団、その後ろに東西の合唱団が並んで壮観です。

 

三楽章までの出番がないうちは子供たちの顔のアップ(ティンパニを写すと見える)が映ると、視線があちこちに行っている子もいたりして、ちょっと微笑ましく感じます。

 

 

第四楽章、子供たちが一斉に立ち上がる場面で目の奥が熱くなり、続いて後ろの合唱隊が立ち上がるとハンカチが必要になります。

 

150インチのスクリーンで視ると放送用の録画の DVD では画質はちょっと厳しいですし、DTS 5.1 で再生すると客席のノイズなどが後ろから聞こえて気になります。

 

しかし熱演です。

 

一楽章の出だしなどちょっと纏まりが、と思う箇所もありますが、熱演です。

 

 

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午後は時間があったので千葉そごうの山野楽器に立ち寄り、CD を選びました。

カラヤンの第九はあまり聴いたことがないので、何枚かあったうちの、定評がある ’62年のものを。

 

 

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フィルハーモニーホールができる前の時代ですね。

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DG などのレーベルが統合される時、この黄色の部分はどうしても残してほしいという意見が強かったそうで、新しい録音はジャケットデザインもどこのものかわからないものになってしまいましたが、どこかに必ずこのデザインが縮小されて印刷されています。

 

古い録音はデザインも当時のものが使われるようですが、大きく印刷された9の数字が邪魔ですね。

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ついでに久しぶりにポケットスコアを買いました。

時刻表マニアは時刻表を見て頭の中で旅行するそうですが、私はこれで自分のオーケストラに演奏させます。

 


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もうホットコーヒーの季節になったようです。


 

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『ファウスト』 [DVD]

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先日の記事のコメントで「時よ止まれ」と書きましたが、ご存知の方も多いはずですが、ゲーテの『ファウスト』の中のセリフです。

考えてみると読んだことはないので、この機会に読んでみようと思いました。

その前にまず、映画です。



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ブルーレイを買ってみました。



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戯曲の方は文庫版もありますが、手塚訳が評価が高いようです。



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『ウェルテル』もちょっと敬遠していましたので、読んでみましょう。


ドイツ文学は皆が通る道『車輪の下』は若い頃読みましたが、大人になってから読んだトーマス・マンの『魔の山』が面白かったです。



ロマン・ロランの『ジャン・クリストフ』は面白かったのですが、中断したところで止まったままでしたので、また読み直してみようかと思います。

 

最近読書量が少ないです。

若い頃読んでおくべきだったのに読んでいないものがたくさんあります。





若い頃でなければ感じられないものがあるはずですが、若い頃の自分にアドバイスすることができるなら「読んでおけよ」と言いたいです。








映像版『カルメン』 [DVD]

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『カルメン』は数あるオペラ中でも最も知名度も人気も高いと言って良い作品ですが、映像は

 クライバーのもの

 カルメン:エレーナ・オブラスツォワ

 ドン・ホセプラシド・ドミンゴ

 エスカミーリョユーリ・マズロク

 ミカエラ:イゾベル・ブキャナン

  指揮:カルロス・クライバー

  ウィーン国立歌劇場管弦楽団、合唱団

 


 

ビゼー:歌劇「カルメン」[Blu-ray]

ビゼー:歌劇「カルメン」[Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ARHTAUS (Legendary Performance)
  • メディア: Blu-ray

 


 


か レヴァインのもの

 カルメン:アグネス・バルツァ

 ドン・ホセ:ホセ・カレーラス

 ミカエラ:レオーナ・ミッチェル

 エスカミーリョ:サミュエル・レイミー

  メトロポリタン歌劇場管弦楽団&合唱団

   指揮:ジェイムズ・レヴァイン

  987年2月 メトロポリタン歌劇場(ライヴ)


 

ビゼー:歌劇《カルメン》 [DVD]

ビゼー:歌劇《カルメン》 [DVD]

  • 出版社/メーカー: UNIVERSAL CLASSICS(P)(D)
  • メディア: DVD

 

あたりが評価が高いようですが、今回買ってみたのはカラヤンの映画仕立ての映像です。

配役などは

 カルメン:グレース・バンブリー

 ドン・ホセ:ジョン・ヴィッカーズ

 エスカミーリョ:フスティーノ・ディアス

 ミカエラ:ミレッラ・フレーニ

 フラスキータ:オリヴェラ・ミリャコヴィッチ

 メルセデス:ユリア・ハマリ

 モラレス:ロバート・カーンズ

 スニーガ:アントン・ディアコフ

 ダンカイロ:クルト・エクウィルツ

 レメンダード:ミレン・パウノフ

  ウィーン国立歌劇場合唱団

  合唱指揮:ヴァルター・ハーゲン=グロール

  ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

  指揮・映像監督:ヘルベルト・フォン・カラヤン

 

  (1967年6月ウィーン、1967年8月ミュンヘン)

 


 

歌劇《カルメン》 [DVD]

歌劇《カルメン》 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • メディア: DVD

 





で、ほぼ同じ時期のザルツブルグ復活音楽祭の映像もあります。

ビゼー:歌劇《カルメン》 [DVD]

ビゼー:歌劇《カルメン》 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • メディア: DVD








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こちらは愛聴盤のカラヤン二度目の録音です。
アルコア版で、台詞部分をフラン人の俳優が担当しています。

 カルメン:アグネス・バルツァ

 ドン・ホセ:ホセ・カレーラス

 エスカミーリョ:ジョゼ・ヴァン・ダム

 ミカエラ:カーティア・リッチャレッリ

 フラスキータ:クリスティーヌ・バルボー

 メルセデス:ジャーヌ・ベルビエ

 モラレス:ミカエル・ベルビー

 スニーガ:アレクサンダー・マルタ

 ダンカイロ:ジノ・キリコ

 レメンダート:ハインツ・ツェドニク

  パリ・オペラ座合唱団

  合唱指揮:ジャン・ラフォルジュ

  シェーネベルク少年合唱団

  ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

  指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン

  1982年9月 ベルリン・フィルハーモニー

  (1983年3月 台詞追加分)



一回目の録音も聴くことができます。
こちらはグランドオペラ版です。

 カルメン:レオンタイン・プライス

 ドン・ホセ:フランコ・コレッリ

 ミカエラ:ミレッラ・フレーニ

 エスカミーリョ:ロバート・メリル

  ウィーン国立歌劇場合唱団

  合唱指揮:ヘルムート・フロシャウアー

  ウィーン少年合唱団

  ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

  指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン()

  1963年11月 ウィーン、ゾフィエンザール

 


 

ビゼー:歌劇「カルメン」(全曲)

ビゼー:歌劇「カルメン」(全曲)

  • アーティスト: ビゼー,カラヤン(ヘルベルト・フォン),ピッツ(ヴィルヘルム),フロシャウアー(ヘルムート),ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 2008/04/09
  • メディア: CD



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先日図書館で聴いてみたのがこちら。

 カルメン:ジェニファー・ラーモア

 ドン・ホセ:トーマス・モーザー

 エスカミーリョ:サミュエル・レイミー

 ミカエラ:アンジェラ・ゲオルギュー

 フラスキータ:ナタリー・ボアシー

 メルセデス:ナターシャ・ペトリンスキー

 モラレス:ジャン=リュック・シャイニョー

 スニーガ:マウリツィオ・ムラーノ

 ダンカイロ:ヤン・ツィンクラー

 レメンダート:ウルリッヒ・レス

  バイエルン州立歌劇場合唱団

  合唱指揮:ジャン・ラフォルジュ

  バイエルン州立管弦楽団

  指揮:ジュゼッペ・シノーポリ

  1995年12月 ゲルメリング


映画そのものも幾つかありますが、音楽が魅力なのでまずは舞台でしょうね。

映画化盤
カルメン [DVD]

カルメン [DVD]

  • 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
  • メディア: DVD








原作の映画化
カルメン [DVD] FRT-121

カルメン [DVD] FRT-121

  • 出版社/メーカー: ファーストトレーディング
  • メディア: DVD

時間がもっと欲しいですね。






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ミサに流れる モーツァルト「レクイエム」 [DVD]

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ありそうでなかった映像です。

 

ショパンの心臓が眠るワルシャワの聖十字架教会で行われたショパン生誕 200年、没後 161年の命日に行われた追悼ミサの記録です。

 

ミサの録音は今までにも何点かはありましたが、映像は初めてではないでしょうか。


 

モーツァルト:レクイエム,ウィーン・シュテファン大聖堂におけるモーツァルトの命日ミサ典礼ライヴ@ヨッフム/VSO ゼーフリート(S)他

モーツァルト:レクイエム,ウィーン・シュテファン大聖堂におけるモーツァルトの命日ミサ典礼ライヴ@ヨッフム/VSO ゼーフリート(S)他

  • アーティスト: ヨッフム(オイゲン),ロスマイヤー(リヒャルト),ウィーン交響楽団
  • 出版社/メーカー: ポリドール
  • 発売日: 1991/12/05
  • メディア: CD


 

モーツァルト:レクイエム(追悼ミサ付)

モーツァルト:レクイエム(追悼ミサ付)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2011/08/13
  • メディア: CD

 

 

 

 

 

演奏は  フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮のピリオド楽器オーケストラ "シャンゼリゼ管弦楽団" と合唱団 "コレギウム・ヴォカーレ・ヘント "、"アカデミア・キジアーナ・シエナ"。

ソリストは クリスティーナ・ランドシャーマー(ソプラノ)、インゲボルク・ダンツ(アルト)、ロバート・ゲッチェル(テノール)、マシュー・ブルック(バス・バリトン)。

 

黒衣に身を包んだ演奏家たち、参列する人たちの姿には視ているこちらも身が引き締まる思いがします。

 

進行を務めるカジミェシュ司祭の朗々たグレゴリオ聖歌にまず魅入られてしまいます。

歌手として通用する素晴らしい声。

それもそのはず司祭はショパン音楽大学の教授でもいらっしゃるそうです。

 

連続して演奏されるのではなくミサの中で演奏されるレクイエムを聴くというのは目をみはる体験で、こういう形式で聴かなければ本当にレクイエムを聴いたことにはならないのではないかと思えるほどです。

ヘレヴェッヘの指揮は以前の録音に比べるとテンポが速められているそうですが、確かに付点のリズムなど現代的とも思える処理もあります。

 

 

カメラは参列する人たちも映し出し、画面は ヘレヴェッヘ やオーケストラ、合唱団、ソリスト、司祭を進行に応じて頻繁に切り替えて見せます。

 

厳粛なミサの合間で重い足取りを思わせて始まる “入祭唱”、恐ろしげに激しく始まる “怒りの日”、そしてやがて始まる “涙の日”。

天の光のようでもある、震える弦の響き。

 

それに続く厚く重なる祈りの声。

思わず頭を垂れて亡き人に想いを馳せます。

人の声にはなんという力があるのでしょう。

 

ジュスマイヤーの補作部分、特にモーツァルトの指示に基づかないオリジナルの部分はこうして体験するといかにモーツァルトとの違いがあるかはいやでも感じられてしまいます。

 

モーツァルトの音楽はあまりにも素晴らしい。

映画『アマデウス』でサリエリは「まるで神の声を聞くようだった」と言いましたが、決して誇張ではないと思えます。

 

人の行いであるミサ、その中に流れるこの音楽はこの世のものでないような神々しさに満ちています。

 


Requiem in D Minor K 626 [DVD] [Import]

Requiem in D Minor K 626 [DVD] [Import]

  • 出版社/メーカー: Nifc
  • メディア: DVD


73分のこの DVD を視た後は別の DVD を視る予定でしたが、圧倒されてしまって他のものを視る気にはなれませんでした。

手に入るうちに手に入れて体験されることをお勧めします。



明日の朝更新するかどうかははお天気次第です。





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120インチで "JURASSIC WORLD" [DVD]

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いつもの場所では機材のリニューアルがあり、リアプロジェクション方式だった映写機は天井から吊るタイプに変更されました。


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スクリーンも新しくなりました。
背後の明るさの影響を受けず、色も鮮明です。


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プレーヤーは PIONEER、プロジェクターは SONY のようです。


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コントロラーは従来はケーブルで接続されていたので離れた場所では操作できませんでしたが、iPad を使うシステムになりました。


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早速 Blu-RAy の "JURASSIC WORLD" を鑑賞しました。


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iPad なので客席で操作できます。


音響は映画館並みとはいかず、3D にも対応していないようですが、なんたって 120インチです。


映画の内容は第1作へのオマージュといっても良い内容で、第1作の正当な続編という評価があります。

第二作は原作者の マイクル・クライトン(最新作のノヴェライズでは マイケル・クライトン と表記されていますが)が強いリクエストに応えて書いたものですが、本来は第一作で完結している物語です。

なので第二作では別の島を舞台にしなくてはなりませんでした。

出演者は遺伝学者などを除いては新しい顔ぶれですが、随所に第1作が顔を出します。


映像は迫力満点で、第1作に驚いた頃とは CG などに隔世の感があります。

原作も読み終わりましたが、映画で疑問だった幾つかは依然として不思議な感じが残っています。
映画ではヒロインがシャツを捲って甥たちを探したり恐竜から逃げたりしますが、ハイヒールでは無理だろうと思っていました。
原作ではハイヒールを履いていると記述があります。さすがに裸足では無理でしょうが、車にスニーカーのようなものがあったことにしても良かったのではと思います。

甥たちが飛び降りて恐竜から逃げげましたが、水の中をしばらく泳ぎます。
そのあと打ち捨てられた第1作の施設の中でマッチを擦りますが、どんな容器に入っていたのか、全く濡れていないようですぐ火が点きました。


案外あっさりと死んでしまうなと思ったのはマスラニ社長と、甥たちの世話を任されたザラ。
原作はノヴェライズなので映画の通りですが、悪役というわけではないのに、とちょっと消化不良気味。



本編は 124分ですが、きっとそのうちディレクターズ・カット版が出るでしょう。
我が家には 3D 対応の機器はありませんが、4K の 3D 対応機器で体験してみたいなあと思ってしまいました。






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『ジャンニ・スキッキ』 [DVD]

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穏やかな良い元旦でした。


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近所の工場に本物の門松が飾られていました。


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梅の枝はないようですが、何か理由があるのかもしれません。


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以前日本橋で見たのですが、竹が斜めに切られていず、上が平でした。
何かで調べたところ、元々は斜めに切られていなかったものが、武家社会でこうした形が広まって、それが一般的になったようです。
日本橋の老舗のような伝統的な商家では元の形を伝承しているようです。


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暮れの本番で「私のお父さん」を演奏したのですが、このタイトルだけでは何のことやらわかりません。
「私の愛しいお父様」と書かれることがありますが、これでもよくわかりません。

歌詞やあらすじを調べてみたところ、次のサイトが大変参考になりました。
Wikipedia より内容の解説が適切です。

これならよくわかります。
どんな内容なのか、どんな歌詞なのか、どんなシーンで歌われるのかがわからなければ演奏に気持が込められないのです。

少し翻案してみるとこんな感じでしょうか。

 ねえねえ、お父さん、ちょっと待ってよ。
 そんなこと言わないで考えてよ。
 彼に遺産が入らないと私たち結婚できないわ。
 私、彼が大好きなの。
 彼と一緒に銀座に指輪を買いに行きたいの。
 もしうまい考えが浮かばないと、私、玉川上水に飛び込むしかないわ。
 彼が好きでたまらないの。
 胸が苦しくて、このままでは死んでしまいそう。
 だから、ねぇ、お願いよぉ、お父さぁん!


ジャンニ・スキッキは田舎出の者という設定ですから、その娘のラウレッタも「お父様」よりは「お父さん」の方が合っていそうですし、演出によっては「お父ちゃん」もありかもしれません。
歌詞の最初の方では
 babbino
最後の方は
 babbo
となっていてニュアンスが変わっているのも面白いところです。


日本で上演される機会はほとんどないようですが、映像を探しましたところグラインドボーン音楽祭のものがありました。


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解説にありますように三部作として続けて上演されることを想定しているようで、この作品は一幕で所要時間は一時間ほどです。

このアリアだけが有名なのも当然と思われました。
聴き応えのあるアリアはこれくらいしかないのです。

ダンテの「神曲」の “地獄編” を素材にしている(中野真理さんの曲集では “天国編” とありますが、誤りです)作品自体は大変面白く、長大なアリアもなく、オーケストラも劇伴のような音楽を奏でるシーンが多いのでミュージカルのような雰囲気です。
『蝶々夫人』とは曲もずいぶん趣が違いますし、プッチーニ唯一の喜歌劇だそうです。

聴かせどころが少ないのでお客さんが入らないのでしょうが、インタヴューにもありましたようにこれはプッチーニの傑作であると思います。
一幕ですし、登場人物は少ないです。
料金が安くできるかもしれません。

この音楽祭の演出はなかなか良いと思えました。
歌手の方たちの演技力も優れていますし、衣装も考えられています。

台本はジョヴァッキーノ・フォルツァーノ(1884 - 1970)ですが、もしモーツァルトの時代にこの台本が書かれていたらモーツァルトも取り上げたのではないかと思える内容です。

他の作品も改めて視てみようかと思います。






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人間なのです:DVD を視て:ベルリン・フィル [DVD]

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Amazon の評を見ると実にいろいろで興味深いです。

 

実際に視てみると、まずこれは映画であるということを改めて認識させられます。

流れるような映像は一種の音楽であるように思えます。

 

 

オープニングは衝撃的で、オーディションの場面で始まります。

しんと静まり返った会場の客席にはベルリン・フィルのメンバー。

舞台で演奏するのは打楽器奏者一人。

 

無表情に見える審査員に見下されているように思えてしまうそのプレッシャーが強く伝わります。

 

 

 

演奏ツアーは二度目の北京と東京を別にすれば皆初めての土地です。

二日演奏して飛行機で移動。

機内ではアイマスクをして仮眠を取る団員の姿が映し出されます。

 

演奏される曲はベートーヴェンの「英雄」と R. シュトラウスの「英雄の生涯」。

どちらもカラヤンが得意とした曲で、カラヤン自身が自分をそう見立てていたと言われています。

そしてラトルが力を入れているトーマス・アデスの現代曲「アサイラ」。

 

 

試用中の比較的若い団員などのインタヴューが挟まれます。

試用期間は2年間。

これは厳しいですね。

 

演奏技術があれば良いというものではないことは人間の集団であるからには当然と言えば当然です。

ブックレットにはザビーネ・マイヤー事件のことも書かれていますが、指揮者さえ団員が選ぶこのオーケストラでは団員がノーと言えばノーであるということは動かせないのですが、カラヤンがそれに抗ったことが「事件」となり、カラヤンとオーケストラは決別します。

 

 

楽器が他者とのコミュニケーションの手段だったという多くの団員達。

いや、楽器でしかコミュニケーションできなかったと言った方がよさそうな、意外な素顔。

 

ツアーの合間には子供のような幼稚さを見せる団員。

 

オフのときにはジョギングする団員。

 

劣等感の塊だったという団員。

吃音があったという団員。

オーケストラの音楽なんて退屈以外の何物ではなかったけれど、ユースオーケストラに参加して世界が変わったという団員。

 

ソリストとして演奏したいという願望を隠せない団員。

日本人のヴィオラ奏者は旦那様に「どうせお前の音など聞こえないのに」と言われると話す。

オーケーストラの一員として演奏するということはそういうこと。

 

伝統があるのだと言う団員。

伝統は引き継がれなければならない。

 

 

ある団員は

「ここで一緒に演奏すれば誰だって上手くなる。

 上手くならなけりゃ人間じゃない」

と言うけれど、それはこのオーケストラに入団を許されたレヴェルであるからでしょう。

 

 

カラヤンの時代に徹底的に鍛えられたこのオーケストラでさえ現代音楽だけではお客が呼べない。

幸運にも演奏会で取り上げられても次があるかどうかはわからない。

CD を売るにも戦略があります。

 

ツアーの合間にはマスタークラスも開催されます。

 

東京ではアークヒルズのカラヤン広場のカットが挟まれます。

 

 

ラストではオーディションの結果が述べられます。

合格する人も去る人もいます。

 

 

けっして神様の集団ではないのですが、生み出される音楽は完璧で、弱さや劣等感もある奏者達からこのような音楽が生み出されるということ自体が感動的です。

 

特典ディスクはまだ視ていないのですが、時間を置かず視てみたいと思います。

 

 

 

 

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ベルリン・フィル アジアツアー '05 [DVD]

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このツアーの年はベルリン・フィル 125周年だったそうですから、今年は 135周年ですね。

 

コンサートの映像ではない、オーケストラのドキュメンタリーです。

 

 

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 内容(「キネマ旬報社」データベースより)

 世界最高峰のオーケストラメンバーであることの誇りと喜び、そして想像を絶する重圧とストレスを団員たちが熱く語る。

 

Amazon のレビューによれば特典ディスクは是非見るべきとのことです。

 

指揮はもちろんラトル、フルートはパユです。

 

 

三連休ですので、そのうち1日はいつもの場所でこれを鑑賞することにしましょうか。

 

 

 

 

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儀式形式の『マタイ受難曲』 [DVD]

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マタイ受難曲の映像はリヒターのものがよく知られているようですが、こちらは珍しい内容で、儀式形式で収録されているのだそうです。


 


輸入盤ですが、日本語字幕も解説もあります。

声楽ものは言葉がわからないとだめですからねえ。



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演奏がラトルとベルリン・フィルですから言う事ないですね。

ソリストで馴染みがあるのはゲルハーヘル、コジェナー、クヴァストホフくらいでしょうか。


評判が良いようですし、連休にゆっくり視るには良さそうです。

Blu-ray も出ているようです。


なお、演出のピーター・セラーズ(Peter Sellars)は映画『ピンク・パンサー』のピーター・セラーズ(Peter Sellers, '80年没)とは別人です。



 

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リマスター版『二十四の瞳』 [DVD]

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2007年にリマスター版が上映されたのだそうですが、その DVD が発売されていてそのブルーレイもあります。

この BOX はその両方と『カルメン故郷に帰る』『野菊の如き君なりき』『喜びも悲しみも幾年月』の DVD がセットになっています。



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その他公開当時のポスターの縮刷版、リマスター版公開時のパンフレット(シナリオ収録)の復刻版、写真集などが収められています。



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先日放映された松下さん主演のドラマは 12月に DVD が発売される予定とあります。


 

付録につられて買ってしまいました。

来月3連休が二回あるのでゆっくり視てみようと思います。




 

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