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アレンジされている:発車音 [楽譜]


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梅雨らしい一日でしたが、懸念したほどは降りませんでした。

 

 

こんな光景を見ると「雨の物語」(伊勢正三/イルカ)を思い出しますね。

 

 

ところで先日「鉄のバイエル」の中の「鉄腕アトム」の楽譜を取り上げましたが、その後この楽譜の前半にも一箇所ちょっとした違和感を覚えました。

 

二小節目のコードが C のはずですが楽譜では G になっているのです。

 

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なぜかと考えているうちに放送のオリジナル音源を集めた CD が見つかったので取り寄せてみました。

 

 

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虫プロに残っていたテープやソノシート(懐かしい)からの収録なので音質は良くありませんが、懐かしい響きです。

 

 

 

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聴き取るのもちょっと厄介ですが、一般に出回っている楽譜と同じで、ここで問題にしている前半と後半のコードは「鉄のバイエル」のものとはやはり違います。

 

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ああ、明治製菓提供でしたね。

 
 
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で、ここまできたら駅に行かねばならないかと思っていたのですが、都合の良いことに JR で使われている音源を集めた CD がありました。




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聴いてみると確かに駅で聞く音です。

シンセ音源ですね。

 

 


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これを聴くと、なんと「鉄のバイエル」と同じです。

ということは発車メロディーの楽譜としてはこれが正しいのです。

 

発車メロディーとして使うときにJR東日本がアレンジしたのでしょう。




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それにしても改めて考えてみるとこの楽譜、どういうときに使うのでしょうね?







 

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「鉄のバイエル」 [楽譜]

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TV で取り上げられて評判なのだそうです。




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JR東日本のホームで流れるメロディーを集めた楽譜集です。

 

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10年前に出ているのですね。




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オリジナルのメロディーの他によく知られた曲も使われています。

 



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こんな曲もあります。




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奥付に協力会社として名前が記載されているものもありますが、「蒲田行進曲」には何も表記されていません。




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「第三の男」には正式な著作権の表示があります。




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ところでこの中の「鉄腕アトム」をちょっと弾いてみましたら、一箇所で違和感を感じました。

この楽譜にはコードネームは書かれていませんが、上の譜面の小節の一拍目は Am ですが、耳で聴いて変な感じがしますし、ネットでコードネームを調べてみるとこの部分は F です。

 

 

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譜面にするとこうです。

 

E でなくて F のはずですね。

オリジナルの譜面はどうであったのか、高田馬場で流れているメロディーはどうなのかもう少し調べてみたいと思います。

 

出版社にも問い合わせてみましょうか。

 

※ '18.06.09 追記。

すると左手も F と C でなければならないはずです。




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明日の朝はまだ雨ではないようですが、朝になってみなければわかりません。

雨だったら(降り方によりますが)更新はお休みします。

 

'18.06.20 追記。

 

この楽譜はオリジナルとは違いますが発車メロディーに忠実であることがわかりました。
 
 


 

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モーツァルト カレンダー:アカデミア・ミュージック [楽譜]

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昨日アカデミアに行った時についでにカレンダーを買ってみました。

 

 

毎年作られているような気がするのですが、買ったのは初めてです。




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当時のウィーンの街並。




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パリで出版されたヴァイオリンソナタ K.8 と K.9。




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『魔笛』の舞台のイラスト。




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最後の住まいの間取り。




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『レクイエム』の自筆譜。

「ラクリモサ」の6小節目以降。

 




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モーツァルトに関わるいろいろなことが書かれています。




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作品の一覧が付いています。




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626は『レクイエム』の作品番号です。

部数限定ですので欲しい方はお早めにどうぞ。

 
 


 

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楽譜も開脚できた方が良い。 [楽譜]

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練習番所に行く途中のドウダンが紅くなり始めました。




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捨てられたペットボトルの水の向こうに少し秋の色が見えます。




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植え込みに初めて見る花がありました。




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何でしょうね?





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さて今回一曲オンデマンドの楽譜を買ってみました。

プリンタで出力して綴じるわけです。

 


 

印刷だとある程度刷らなければなりませんし、在庫も発生しますから利益が出にくいでしょうね。

オンデマンドは音楽 CD(CD-R)でも行われています。

好きな曲だけ収録するという事ができるようですが、CD-R は耐久性に劣りますね。

 


楽譜はそういう心配はありません。

 

現物を確認してから買うという事ができないのはちょっと問題でしょうか。

割高ですし。




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さてこういうふうに綴じてあると、フラットに開きます。

 

使いやすいですね。




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たいていの曲集はこんなふうです。

今までそういうものだと思っていましたが、ソロ用の譜面(パート譜)は普通はそれほど厚いものではなく中綴じである事がほとんどなので問題になりませんが、ピアノ伴奏譜は厚いですね。

(ピアノ独奏の曲集もそうですが)

出版社にも一考を求めたいものです。

 

そういえば今回買ったこの楽譜、ヴォーカル(とピアノ伴奏)用なのでパート譜はありません。

ううむ、これをやるならパート譜を作るか暗譜しなければなりません。

 

来年二月はまた発表会です。

 
  
 


 

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レクイエム補筆完成版各種 [楽譜]

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アカデミア・ミュージックに行った折、新しくレクイエムのスコアを二冊求めました。

 

 

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こちらは以前から持っているジュスマイヤー版です。




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こちらは新しく求めたランドン版。

 

 

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補筆の内容などが解説されています。




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こちらは一緒に求めたバイヤー版です。

大判です。




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同じように補筆の内容が解説されています。




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こちらは Wikipedia の画像ですが、モーツァルトの自筆譜の ”ラクリモサ” の冒頭部分です。

 



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こちらはオイレンブルグのジュスマイヤー版の同じ部分です。

ヴァイオリンの三小節目以降はジュスマイヤーの書いた部分です。




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こちらはランドン版。(C)

M はモーツァルト、S はジュスマイヤーの手になる部分です。





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ランドン版の "レックス・トレメンデ"(御稜威の大王)。

E はアイブラーの手になる部分、L はランドンによる部分です。



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こちらはノヴァーク版。
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バイヤー版。(A)
こちらもアイブラーの手になる部分を取り入れています。
三小節目以降が違うのがご覧いただけるでしょうか?
 
 
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モーンダー版は在庫がなかったので注文しました。
 
 
Wikipedia に各版の特色が解説されています。
バイヤー版
ミュンヘン音楽大学教授フランツ・バイヤーによる補作。最も有名なものは1971年の「バイヤー版」で、フランツ・バイヤーの行った研究成果を反映したものであり、全体的に、ジュースマイヤーの仕事を認める方向で楽曲の構成には手を加えず、「饒舌」なオーケストレーションの修正、特に伴奏のカットが主眼である。
最もわかりやすい変更箇所は、「キリエ」の最後のフェルマータ以降のトランペットとティンパニの追加、「奇しきラッパの響き」の "Mors stupebit et natura" 以降のトロンボーンのカット(これは歌詞の内容に合わせたもの)、「恐るべき御稜威の王」の2拍目の金管楽器による相の手の削除(これは前者と共に以下の版でも採用されている)、「涙の日」の "Dona eis" の部分で、テノールパートが上昇音型から下降音型に変更されている点、「オッフェルトリウム」の始めのほうに現れる弦楽器のシンコペーションを単純なリズムに変更した点、そして「サンクトゥス」と「ベネディクトゥス」の最後の部分「オザンナ」のフーガに新しい終結部を追加した点である(アーノンクールは演奏の際この部分はカットした)。
尚、バイヤーは2005年に新たな補作を出版しており、上記のものとは異なる新版が存在する。
B モーンダー版
イギリスの音楽学者・数学者リチャード・モーンダー(ドイツ語版)による補作。曲自体はあくまで未完だとして、ジュースマイヤーが作曲した曲、およびオーケストレーションを削除し、モーツァルトの他の楽曲(特に「魔笛」や「皇帝ティートの慈悲」)を参考に補筆するという方針を取っているが、「神の子羊よ」は、「レクイエムの主題」の引用、「雀ミサ」K.196bとの類似など、モーツァルト自身が関与した可能性が強いと指摘し、修正を施した上で残された。
最大の特徴は「涙の日」の「アーメン」の部分に「アーメン・フーガ」を導入したことである。
モーツァルトの絶筆("judicandus homo reus:")以降は「入祭唱」の "Te decet hymnus" の部分を転調して繋ぎ、"Dona eis requiem" で半休止させてアーメン・フーガへと入る。アーメン・フーガは 「自動オルガンのための幻想曲」 K.608を参考に補筆したといい、フーガの終結部ではモーツァルトの絶筆部分のモチーフ(D-E-F-F#-G-G#-A-C#.)を引用している。
C ランドン版
アメリカの音楽学者H.C.ロビンス・ランドンによる版。アイブラーの補筆がある「呪われ退けられし者達が」まではそれを採用し、「涙の日」以降はジュースマイヤーのものを用いて、その上でランドンが一部に加筆している。ジュースマイヤーによって破棄され、使われなかったアイブラーの補筆部分を初めて利用した版である。
編者の「モーツァルトの作品を完成させる作業には、学識に優れた20世紀の学者たちよりも、同時代人であるアイブラー、フライシュテットラー、ジュースマイヤーの方が適していると信じる」という言葉と相まって、ジュースマイヤー再評価のきっかけとなった。判別のポイントは「恐るべき御稜威の王」の6小節目で伴奏が無くなる部分。
レヴィン版
アメリカのピアニスト・作曲家ロバート・レヴィンによる補作。1991年のレクイエム200年記念演奏会のために作成された。基本的には、ジュースマイヤー版の曲の骨格を元にオーケストレーションを書き換える方針を取っている。
最大の特徴は「涙の日」の「アーメン・フーガ」であり、これはモーンダーとは異なる独自の補作である(ジュースマイヤーの補筆は極力残してフーガに入る。なお、当時の慣例に基づき、このフーガは属調以外ほとんど転調しないのが特徴)。また、「サンクトゥス」「ベネディクトゥス」は「オザンナフーガ」が大幅に拡大されるなど、改作に近い修正が施されている。
E ドルース版
イギリスの音楽学者・作曲家・弦楽器奏者ダンカン・ドルース(英語版)による版。「モーツァルトのつもりでというよりは、モーツァルトのスタイルに共鳴し、モーツァルトの技法に精通した18世紀の有能な作曲家になったつもりで」補作しようとしたという。
「涙の日」のモーツァルトの絶筆以降と「アーメン・フーガ」を独自に補作した。「サンクトゥス」「ベネディクトゥス」および「オザンナ・フーガ」はジュースマイヤー版の主題を基に新たに作曲しなおしている。「聖体拝領唱」の冒頭には「入祭唱」から取った器楽演奏部が挿入されている。「涙の日」の9-10小節目に、アイブラーが補筆した2小節を使用しており、「涙の日」は「怒りの日」とパラレルになるように作曲したという。
ノヴァーク版について触れられていません。
レヴィン版とドルース版は入手は見合わせます。
アーメン・フーガは新たに発見されたスケッチに基づいている部分です。
アーメン・フーガ
1962年、音楽学者ヴォルフガング・プラート(英語版)がベルリン州立図書館において、『魔笛』 K.620の序曲のスケッチ、第5曲「恐るべき御稜威の王(レックス・トレメンデ)」の一部などと共に、「アーメン」を歌詞とする4分の3拍子、16小節のフーガのスケッチ(通称「アーメン・フーガ」)が記された草稿(声楽部のみ)を発見している。
1791年に書かれたと見られ、主題は「レクイエムの主題」の反行形である(A-B♭-A-G-F-E-D)。こうしたことから、一部の音楽学者は【入祭唱】をフーガである「キリエ」で締めくくるのと同様、【続唱】の最終曲「涙の日(ラクリモーサ)」の終結部に置き、区切りとする構想があったとする意見を唱えており、近年の補筆版にも度々補筆・導入されている。
じっくり読み込んで聴き込んで行くことにしましょう。
 
 
 
 


 

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目新しい楽譜を探す [楽譜]


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アカデミア・ミュージックとムラマツでは楽譜を探しました。

アカデミア・ミュージックは輸入楽譜と洋書の専門店なのでフルートだけでなく他の楽器の楽譜も充実しています。

スコアやオーケストラや室内楽のための楽譜もあります。

 

 

輸入楽譜の取り寄せにかかる時間はどちらも同じくらいです。

 



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買ってみたのは珍しい曲ではありませんが、バルトークの「ルーマニア民族舞曲」のフルートとピアノ用の編曲です。

 

 

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割とポピュラーですが、フルートとピアノの演奏はそれほど多くはありません。

 

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ムラマツではこちら、ショパンのワルツ集です。

 

ペータースの楽譜のイメージに似ていますね。

 


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ショパンの曲は「ノクターン」や「子犬のワルツ」などフルートでもよくく演奏されますが、ここに収録された曲はそれほどあちこちに収録されているわけではありません。

好きな曲が入っています。

むずかしそうですが、やってみましょう。

コルトーのように自由な表情をつけると伴奏と合わせるのは難しくなるかもしれません。

ピアニストの方は弾きなれた曲でしょうが、旋律を除いて弾くことになりますので、ちょっとやりにくいかもしれません。




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知らない出版社ですね。



これも難しそうですが、おいおいやってみましょう。


 
 
 
 
 


 

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ヴォーカルスコア:STABAT MATER [楽譜]

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先日山野楽器に行った時に楽譜売場を覗いてみましたらヴォーカルスコアの在庫がありました。

 

何種類かありましたが、ベーレンライターの原典版を。

 
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原曲の印象的な音形がピアノで弾きやすいように編曲されています。

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フルート二本とピアノ用の編曲を探してみましたが、ムラマツにはそのような編成の編曲はありませんでした。

アカデミア・ミュージックにもありません。

 

もしそういう編成でやろうとするならやはり原曲から自分で編曲する必要がありそうです。


 

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PERGOLESI:STABAT MATER [楽譜]

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「悲しみの聖母」と訳されるこの曲はペルゴレージのほかロッシーニ、ドヴォルザークをはじめとして多くの作曲家が作品を残しています。

 

この曲を初めて聴いたのは先日久しぶりに鑑賞した『AMADEUS』で、サリエリの子供時代の回想の中、教会のシーンでした。

映画では12曲目の「肉体の滅びるとき」がオルガン伴奏の合唱隊によって歌われていましたが、長らくそれがオリジナルと思っていました。

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スコアを取り寄せてみますと弦楽と通奏低音、ソプラノ、アルトという編成で、映画のような編成の楽譜は出版されていないようです。

スコアを取り寄せたのがいつだったか覚えていないのですが、この日本語ライセンス版の著作権表示は 2005年になっていますのでそれからそれほど経たない頃ではないかと思います。

サリエリの両親が商売繁盛を祈るシーンでは子供のサリエリは音楽の道に進ませてくださいと祈り、やがて父親が倒れてその葬儀のシーンにまで曲は途切れずに続きます。

サリエリが「奇跡が起こった」として神様が願いを聞き入れてくれたと胸に刻み込む重要なシーンです。

ピアノで弾いてみますとあのシーンが蘇ります。

ソプラノとアルトのシンプルな旋律と和声がなんと神聖なイメージを呼び起こすことでしょう。

 

ベーレンライターではヴォーカルスコアを出版しているようです。

ピアノ伴奏です。

今度取り寄せてやってみたいと思います。

 

このくらいなら自分で伴奏を作ることもできそうですが。


 

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通奏低音 [楽譜]

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オリジナルの演奏を改めて聴いてみたのですが、通奏低音の扱いが様々であることを改めて認識しました。



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スコアには Continuo(通奏低音)とあって、楽器の指定はありません。

数字は付いていないのでチェンバロを加えない演奏もあります。



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コープマンの新盤はチェンバロなし。

組曲第二番のソロはトラヴェルソでハーツェルツェト。

 

 

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リヒターはチェンバロを入れていますが、和声をつけていません。

第二番はモダンフルートのニコレ。

 

真面目そのものの演奏ですね。

 


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一番趣味に合うのがクイケンですが、リズムの取り方がずいぶんかっちりとしているなあという印象です。

通奏低音はチェンバロを入れて和声をつけています。

 

トラヴェルソはもちろんバルトルド・クイケン。

クイケンは有田さんの先生です。

 

舌を巻いてしまう演奏です。



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チェンバロを入れるかどうかは演奏者の判断ですが、フルート二本とピアノに編曲した私の楽譜ではチェンバロ風に演奏するように作ってあります。

チェンバロやピアノ、ギターや打楽器は一旦音を出したら音を大きくすることができません。

必要な場合は連打やトレモロで対応するわけですが、管楽器や弦楽器のように音量をだんだん大きくすることはできません。

 

Air のようなゆっくりした曲をピアノだけで伴奏する場合は弦楽器(この曲の場合はヴィオラ。フルート一本にする場合はヴァイオリンII も)のパートはそのまま移すと弦楽器のように音を持続させることができません。

そこでアルペジオにしてみました。

 

できればピアノでなくチェンバロでやってみてほしいです。

ギターでも良いかなと思うのですが、ギターの譜面は書けないのでひとまずピアノ用で。

 

 

明日は母の通院の日なので朝の更新はお休みします。

午後は久しぶりの演奏会にお出かけです。







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"Air" と "Air on G String" [楽譜]

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「G線上のアリア」はヴァイオリンの G線だけで弾けるように編曲したもの、というのが一般的な理解ですが、なぜ ト長調(#二つ)だったものをハ長調にしかも一オクターブ下げたのかという理由ははっきりしません。

 

編曲したのは名ヴァイオリニストであった Augst Wilhelmj(1845 - 1908)ですが、「ニューグローヴ世界音楽大事典」に当たってみますと意外な記述がありました。

 

 ヴィルヘルミは,当時のすぐれたヴァイオリニストだった。

 (中略)

 しかし一方では,思慮のないやり方で,バッハの管弦楽組曲ニ長調のアリアを編曲した責任を問われるのも確かである。

 

「G線上のアリア」が今のように有名になって親しまれている状況を考えるとなぜだろうと考えてしまいます。

 

 

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ちょっとおさらいしてみますと原曲では ヴァイオリンI が五線の一番上のF# で旋律を弾き始めますが、編曲された「G線上のアリア」では五線の一番下の E で始めます。

上の楽譜はフルート用に編曲(原調で)したものです。

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編曲された楽譜には G 線で、1の指でと指示があります。

指示がないと隣の D線で始めてしまうかもしれません。

それでもいいわけですが、ヴィルヘルミは G線で、と指示したわけです。

 

原曲の一番低い音は五線の真ん中の A なので二番目の弦(A線)で全て弾くことができます。

それ以外のパートをピアノに担当させればヴァイオリン一本で演奏することができます。

 

落ち着いた響きを求めて1オクターブ下げたとしても、G線だけで演奏することは可能です。

 

 

なぜ更に長二度(一音)下げたのかという点が謎として残ります。

G線だけで演奏するのならオクターブ下げただけでも良いはずです。

敢えて調を変えたのは何故なのでしょう?

 


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興味深い記述を見つけたのは中村洋子さんの本です。

(株)ディスクユニオンの出版物ですが、先日立ち寄ったアカデミア・ミュージックで購入しました。


P.112 からの部分ですが、P.115 に

 バッハを楽器に合わせて調を変え、恣意的に派手に、音をゴージャスにたくさん加えるということは、バッハの有機的構造を理解せず、バッハの世界を壊しているのです。しかし、バッハには「無伴奏チェロ組曲第5番 c-Moll ハ短調」を、「リュート組曲 g-moll ト短調」に《編曲》した作品があります。これは、上記で指摘する気ままな編曲ではなく、バッハが「g-Moll」により再創造した曲ととらえなければなりません。この曲につきましては、別の機会に詳しく分析する予定です。

 バッハに限らず、作曲家は自分の作品の調を変えて、新たに別の楽器で演奏できるよう《編曲》している例はたくさんあります。それらのどの作品も新たな創作と言えます。見かけ上の効果を狙い、本来のフォルムを破壊する編曲とは、全く別次元の話です。「悪い編曲」と「作曲家本人による編曲」とは、峻別すべきです。

とあります。


「ニューグローヴ世界音楽大事典」の記述はそういうことを言っているのかもしれません。

 

「G線上のアリア」ですが、編曲したことの善し悪しは別としまして、ヴィルヘルミの原曲した譜面をヴァイオリンで演奏する場合はこう呼べますが、それ以外の楽器で演奏する場合は「G線」を使うわけではないので本来はそうは呼べないと思います。

まして調が異なる原曲の演奏を「G線上のアリア」と呼ぶのは再考する必要があるのではないかと思います。

 

ここに掲載した楽譜はヴァイオリン I と II をフルート二本で演奏するようにしています。

もちろん原調です。

 

以前演奏したことがある物ですが、現在手直し中です。

再度取り上げることがあるかもしれません。







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