vent = wind [楽器]
発音が似ている vent と vin ですが、どちらも鼻にかかる発音で、カタカナで表記するときは "ヴァン" ではなくて "ヴァ" の方が近いそうです。
思いついて調べてみると管楽器(複数)は les instruments à vent です。
英語だと wind instrument(s) なのでどちらも風(息)の楽器ということを表しているようです。
ついでに調べてみると金管楽器は les cuivres。真鍮の楽器という意味です。
英語では brass instrument(s) なので同じですね。
木管楽器は les bois。木の楽器という意味です。
英語だと woodwind instrument(s)。こちらは微妙に違いますね。英語では wind が入っています。
話は逸れますがフルートは多くが金属でできていますが元々は柘植などの木で作られていたフラウトトラヴェルソが元々の形ですし、発音原理が金管楽器と異なることから木管楽器に分類されます。
ホルンは金管楽器ですが、音が柔らかくよく溶け込むことから木管楽器のアンサンブルに加わることがよくあります。
ただ、木管楽器と金管楽器では音階の作り方が異なり、ピアノはもっと異なるのでこの編成できれいな響きを得るのは実は難しいのです。
それはピアノ五重奏などのピアノと弦楽器でも同じです。
さて今回のアンサンブルは「ピアノと木管五重奏」ということになるのですが、単に六重奏と言う場合もあります。プーランクの曲はまさに『六重奏(Sextet)』という名前で、タンギーの曲は『六重奏曲〜ピアノと木管五重奏のための』となっています。
余談ですが「ピアノ五重奏」はピアノ五台のアンサンブルではなくてピアノ一台と弦楽四重奏(ヴァイオリン2、ヴィオラ1、チェロ1)です。
アンサンブルの名前は「フランスの風」なのですが、全員がフランス出身というわけではないですし取り上げる曲もフランスの作曲家のものだけではありません。まあ、イメージなのでしょうね。
vents を les instruments à vent の事だと強引に解釈することもできなくはないですが、それだとホルンは含まれますがピアノが仲間はずれですね。
『東京六人組』も同じ編成です。
こちらはロシア5人組を意識したネーミングだそうです。
『ゼクステット魅生瑞(みゅうず)』も『ピアノと管楽五重奏団織笛(おるふえ)』同じ編成です。
ただ、いずれもバソンでなくてファゴットです。
こちらのワーナーの公式 HP でエルサンの「復活祭の歌」の動画を視聴することができます。
これも見事な演奏ですが、日曜に聴いた実演の方がずっと素晴らしい演奏でした。
やっぱり実演が一番ですね。