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H(B)キー(レヴァー)を使う [楽器]

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音名の表記は英語とドイツ語が混在しているのでややこしい場合がありますが、先日取り上げました B tr がまさにそうです。

 

英語ですと C D E F G A B C で、これに♭か ♯ をつけて半音低い音と高い音を表します。

移調楽器に多いものですと E♭(変ホ)、B♭(変ロ)です。

ところがドイツ語表記ですと C D E F G A までは同じですが、次は B ではなくて H です。

 

移調楽器は Es(エス)、B(ベー) なのです。

 

 

 

A#(B♭)は Ais(B)、G# は Gis という具合です。

 

 

英語の Bナチュラルは H(ハー)なのです。

 

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で、この本は英訳本なので表記は英語表記です。

なので B tr は シのトリルということになります。

 

図の下側には B と B♭もありますね。

 



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で、この楽器はこれを押すとシの音になるわけですが、普通の楽器は Ais レヴァーと呼ばれていて Ais つまり B♭の音が出るわけです。



この楽器のこの特性をどういう箇所で生かせるのかと思っていましたら、ある教則本に1枚目の画像の箇所がありました。

 

ここは普通の楽器ですと B と B♭が交互に出てきますので左手親指が二つのキーの間を動くわけですが、この楽器では左手親指はB♭の時に押さえるだけで、あとは右手人差し指で 操作します。

どちらがいいかは慣れの問題ですが、当初はこうであったわけですから、これでもいいのではないかと思います。

しかし、発想を変えれば現代の楽器では左手親指は B の時だけ使って B♭は右手人差し指で(このレヴァーまたは正規の指使いで)操作すればいいわけです。

 

 

Isidor Lot は B が二種類、B♭が二種類ですが、普通の楽器は B が一種類、B♭が二種類 + 一種類であるわけです。

全く同じキーが動く指使いが二種類、やや違うけれど一応同じ音の指使いが一種類あるよりは当初の設計の方が良いような気がするのは贔屓目でしょうか。


 


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