二度目と二冊目、三冊目:森 絵都 [本]
NHK のドラマをきっかけに読んだ『みかづき』ですが、ドラマの方は次の土曜が5回目で最終回です。
原作の方は一度読み終わってすぐもう一度読み、さらに同じ作者の他の本も読み始めました。
こちらは1日で読み終わり。
ちょっと設定が突飛だなと思いますが、子供の心などをよく掬いあげているなと思います。
映画化もされているそうで、主人公の母親役は 阿川 佐和子 さんだそうですが、親友の “ダンフミ” に話したところ「私がやる」と言ったとか。
「だって、母親はチビじゃなくちゃダメなのよ。アンタじゃ、大きすぎるよ。主人公は母親に似てチビであることがコンプレックスなんだから」
「そんなの簡単よ。父親が小さくなればいいんじゃない。この役、私が演ります!」
といつものやりとりがあったようです。
こちらは昨日読み始めてもうすぐ読み終わるところです。
三冊読んで感じるのですが、人がよく描けていますね。
観察力が鋭いのでしょう。
ヒロインは自分がよくわからず読んでると危なっかしいと思える箇所もありますしそんなに極端に変わるものかと思える場面もあるのですが、本人の心の中では確かにそのくらいの重大事なのだろうと思わせる筆力があります。
『みかづき』と同じようにある時期を描きこむと時間が飛びます。
小学生から高校卒業まで。
恋愛への憧れ、自分でもなぜかわからない熱中。
「すごく、わからなくなった。岸本がなんで俺を好きなのか。俺のどここを好きなのか」
「………」
作者は女性としては使いづらいだろうと思える言葉も使いますが、
日常生活ではそれも普通にあることなので、不自然とは思いません。
単行本も手元に置きたいと思いましたが、出版社ではすでに絶版の扱いです。
未読のサイン本を見つけました。
フリーペーパーと未開封のお手紙付きです。
第七章 赤坂の血を継ぐ女たち
P.403
たとえば学校教員の場合、四月一日に辞令を受けた新卒者が、早ければ四月六日ごろには赴任先で教鞭をとっているケースも稀ではない。大学時代の教育実習を記憶に留めるばかりのアマチュアが、いきなり先生になるのである。
そんなことは塾では許されない。保護者から月謝をもらっている以上、塾の教師は最初の一日目からプロであらねばならず、教える技術において学校教員の何歩も先を行く責任がある。
アマチュア云々は楽器を教える先生にもそっくりそのまま言えます。
『永遠の出口』も千葉が舞台になっているので親しみを感じますし、昔存在したお店の描写など、懐かしさを感じます。
千葉駅のレコード店とは多分 Laox に変わる以前の “朝日無線” でしょう。セントラルプラザらしき場所も描かれます。千葉そごうも登場。内房線の八幡宿駅まで。
三冊読みましたが、『みかづき』が良いですね。
さらに他のものを読むかどうかはまだ決めていません。
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