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ミサに流れる モーツァルト「レクイエム」 [DVD]

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ありそうでなかった映像です。

 

ショパンの心臓が眠るワルシャワの聖十字架教会で行われたショパン生誕 200年、没後 161年の命日に行われた追悼ミサの記録です。

 

ミサの録音は今までにも何点かはありましたが、映像は初めてではないでしょうか。


 

モーツァルト:レクイエム,ウィーン・シュテファン大聖堂におけるモーツァルトの命日ミサ典礼ライヴ@ヨッフム/VSO ゼーフリート(S)他

モーツァルト:レクイエム,ウィーン・シュテファン大聖堂におけるモーツァルトの命日ミサ典礼ライヴ@ヨッフム/VSO ゼーフリート(S)他

  • アーティスト: ヨッフム(オイゲン),ロスマイヤー(リヒャルト),ウィーン交響楽団
  • 出版社/メーカー: ポリドール
  • 発売日: 1991/12/05
  • メディア: CD


 

モーツァルト:レクイエム(追悼ミサ付)

モーツァルト:レクイエム(追悼ミサ付)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2011/08/13
  • メディア: CD

 

 

 

 

 

演奏は  フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮のピリオド楽器オーケストラ "シャンゼリゼ管弦楽団" と合唱団 "コレギウム・ヴォカーレ・ヘント "、"アカデミア・キジアーナ・シエナ"。

ソリストは クリスティーナ・ランドシャーマー(ソプラノ)、インゲボルク・ダンツ(アルト)、ロバート・ゲッチェル(テノール)、マシュー・ブルック(バス・バリトン)。

 

黒衣に身を包んだ演奏家たち、参列する人たちの姿には視ているこちらも身が引き締まる思いがします。

 

進行を務めるカジミェシュ司祭の朗々たグレゴリオ聖歌にまず魅入られてしまいます。

歌手として通用する素晴らしい声。

それもそのはず司祭はショパン音楽大学の教授でもいらっしゃるそうです。

 

連続して演奏されるのではなくミサの中で演奏されるレクイエムを聴くというのは目をみはる体験で、こういう形式で聴かなければ本当にレクイエムを聴いたことにはならないのではないかと思えるほどです。

ヘレヴェッヘの指揮は以前の録音に比べるとテンポが速められているそうですが、確かに付点のリズムなど現代的とも思える処理もあります。

 

 

カメラは参列する人たちも映し出し、画面は ヘレヴェッヘ やオーケストラ、合唱団、ソリスト、司祭を進行に応じて頻繁に切り替えて見せます。

 

厳粛なミサの合間で重い足取りを思わせて始まる “入祭唱”、恐ろしげに激しく始まる “怒りの日”、そしてやがて始まる “涙の日”。

天の光のようでもある、震える弦の響き。

 

それに続く厚く重なる祈りの声。

思わず頭を垂れて亡き人に想いを馳せます。

人の声にはなんという力があるのでしょう。

 

ジュスマイヤーの補作部分、特にモーツァルトの指示に基づかないオリジナルの部分はこうして体験するといかにモーツァルトとの違いがあるかはいやでも感じられてしまいます。

 

モーツァルトの音楽はあまりにも素晴らしい。

映画『アマデウス』でサリエリは「まるで神の声を聞くようだった」と言いましたが、決して誇張ではないと思えます。

 

人の行いであるミサ、その中に流れるこの音楽はこの世のものでないような神々しさに満ちています。

 


Requiem in D Minor K 626 [DVD] [Import]

Requiem in D Minor K 626 [DVD] [Import]

  • 出版社/メーカー: Nifc
  • メディア: DVD


73分のこの DVD を視た後は別の DVD を視る予定でしたが、圧倒されてしまって他のものを視る気にはなれませんでした。

手に入るうちに手に入れて体験されることをお勧めします。



明日の朝更新するかどうかははお天気次第です。





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コメント 6

サンフランシスコ人

「映像は初めてでは.......」

《戴冠ミサ》は、カラヤンのがありますが.....
by サンフランシスコ人 (2016-05-07 02:12) 

yamatonosuke

一度見たく、聞きたくなりました。
by yamatonosuke (2016-05-07 07:48) 

センニン

サンフランシスコ人 さん、おはようございます。
モーツァルトのレクイエムが流れるミサ、という意味で書きました。
これから他のミサも視る機会を増やしたいと思います。
by センニン (2016-05-07 09:14) 

センニン

yamatonosuke さん、おはようございます。
この映像、輸入盤なので英語字幕しかないところがちょっともどかしいところです。
今回は字幕なしで視ました。
次に視るときは字幕を表示してみようと思います。
by センニン (2016-05-07 09:17) 

tetsu

こんばんは。

旅行に行ったとき、たまたま現地の教会のミサでモーツァルトとシューベルトのミサ曲を聴くことができました。
詳細の記憶はおぼろげですが、進行はwikiにある通りのはずです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%82%B5%E6%9B%B2#.E3.83.9F.E3.82.B5.E6.9B.B2.E3.81.AE.E6.A7.8B.E6.88.90

レクイエムも「死者の安息を神に願うカトリック教会のミサ」by wikiなので同じということでしょう。実際のミサでのレクイエムは未体験です。
こんなところに限界をつくづくと感じます。
by tetsu (2016-05-07 19:04) 

センニン

tetsu さん、こんばんは。
お久しぶりです。

DVD を購入したのは軽い気持ちでしたが、重い体験になりました。
オペラもそうですが、連続して、しかも音楽だけというのは偏った形なのではないかと思えてしまいます。
by センニン (2016-05-07 22:05) 

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