「さくら横ちょう」(別宮貞雄) [楽譜]
森 麻季 さんの CD を通勤の途中で聴いています。
心が落ち着くので安全運転にも良さそうです。
収められた曲の中で久しぶりに聴いて心に沁みたのは「さくら横ちょう」です。
詩は 加藤 周一 さんの歌曲集「二つのロンデル」の二曲目です。
作曲はここに収められたのは別宮貞雄さんによるもの(1951年)ですが、その前年に 中田 喜直 さんによっても作曲されています。
楽譜の説明には
1951年8月に NHK で放送初演。(畑中 更予、三浦 洋一 (P))
1952年1月、パリ国立音楽院作曲家入学試験で未公開初演。(古沢 淑子、柳川 守 (P))
1955年9月30日、別宮貞雄室内楽作品発表会にて公開初演。(古沢 淑子、井上 二葉 (P))
とあります。
CD のブックレットによればパリ国立音楽院ではミヨーやメシアンに教わったそうです。
以前聴いた CD でこの曲が収められているのは覚えている限りでは次の二枚です。
こちらはセシウムクロックダイレクトカッティングでマスタリングされていてオーディオ的にも話題になった盤です。
深いドラマのある傑作歌曲です。
イントロ冒頭のこのピアノの音形が曲中ずっと支配するように響き続けます。
今回の CD で印象が深かったのは森さんの歌唱と山岸さんのピアノが深い奥行きを持つ曲の世界を彫琢しているからだろうと思います。
オペラはとっつきにくいという方はぜひこの日本の歌を聴いてみてください。
ベルカントと聞いてイメージする歌い方とはやや異なる歌い方で日本の歌の魅力が最大限に表現されています。
言葉の発音の一つ一つがとても丁寧で、心休まるのもその歌唱法によるのかもしれません。
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