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『祝典序曲』に血が沸く [昔のことなど]

シエナの DVD の続きはこうです。

PART 2 ORIGINAL & CLASSICAL
 ■祝典序曲(D. ショスタコーヴィチ/編曲:上埜 孝)
 ■エルザの大聖堂への入場(R. ワーグナー/編曲:L.カイエ)
 ■メトロポリス(A. ゴーブ)
 ■交響曲第5番《革命》;第4楽章(D. ショスタコーヴィチ/編曲:上埜 孝)

『祝典序曲』は演奏しました。当時使われていたのはは MCA MUSIC から出ていた D.ハンスバーガー博士の名編曲です。
シエナの演奏を聴いていると当時自分が担当してたパートの楽譜が目に浮かびます。
難しかったところも思いだします。すぐにでも参加できるような錯覚を憶えます。
当時はみんなオリジナルが汚れることを嫌って手で写譜したものです。もちろんコピーマシンはありましたが、コピー代は今ほど安くはなかったのです。

ショスタコーヴィチの曲は《革命》もよく演奏されていました。

どちらもショスタコーヴィチが国の意向に沿うように書いた曲で、狙い通り気に入られ、身の安全も図れました。『祝典序曲』には『森の歌』のメロディーが転用されています。
共通するのは異常なほどに興奮をもたらすように書かれていることでしょう。
自分が演奏したこともあり『祝典序曲』には熱中しましたが、《革命》にはやや冷めた見方をしていました。
確かに威勢が良く力強いが、深みがないではないか。
そう感じていたのです。
ヒトラーがワーグナーの音楽を戦意高揚に利用したように、当時のソ連の政治的意向に合ったのでしょう。

『祝典序曲』に熱中した私はフルスコアと同じような紙を探して来、その表紙も手書きで模写しました。
やがて後年オーケストラ譜のポケットスコアを見つけたときには即座に購入しました。
オーケーストラ版の演奏は思ったほど多くはないのですが、集った CD は少なくとも 10種類あるでしょう。
最も新しいものはアシュケナージ指揮によるものです。

上の写真はそのスコアです。
後ろに写っている汚れたものは、カバーとして使っている山野楽器の紙袋です。
当時のデザインが懐かしいので一緒に写してみました。

当時曲の選定やお手本として全日本吹奏楽コンクールの優秀団体の実況盤を聴きました。
印象に残っているのは次のような演奏です。
 O.レスピーギ:交響詩「ローマの松」よりアッピア街道の松(福岡電波高校)【'66】
 R. ワーグナー:歌劇「ローエングリン」よりエルザの大聖堂への行進(東京・豊島第十中学校)【'69】
 D. ショスタコーヴィッチ:祝典序曲(兵庫・西宮今津中学)【'70】
 R. イエーガー(※):組曲第2番よりファンファーレ、スケルツォ(福岡大学) 【'71】
 I. ストラビンスキー:バレエ「春の祭典」より(東京:駒澤大学)【'71】
  ※現在はジェイガーと表記されます。

佐渡さんは私と同じような体験をお持ちなのかもしれません。
豊島十中の演奏による「エルザ」は当時吹奏楽で初めてレガート奏法を会得したとして非常に高く評価されたものです。
シエナの演奏はそれを彷彿とさせます。

今はあまり演奏されることはないようですが、R.Jager の『組曲第2番』も演奏しました。
良い曲だと思うのですが、いまだに CD が見つかりません。吹奏楽コンクールの名演集の CD には収録されているのでしょう。後で調べてみましょう。

アンコール
 ■モスクワを疾走(D. ショスタコーヴィチ/編曲:鈴木 英史)
 ■星条旗よ永遠なれ(J.P.スーザ)
アンコールのことは知っていましたが、あのマーチの演奏がこれほどすごいとは思いませんでした。
舞台に人が載りきれません。
尺八を吹いている人がいます。なんだか分からないものを叩いている人がいます。
みんな暗譜です。
一番驚いたのは指揮をする人もたくさんいることです。
佐渡さんはその中からのび上がって棒を振っています。
ぴっころのソロの後のフィナーレのものすごいテンポ!
私も参加してみたくなってしまいました。
...まずは楽譜を探しましょう。はは。

シエナの編成はエンドクレジットによると必要最小限という印象ですが、トランペット、ホルン、トロンボーンは増強されています。バンダも自前で賄えるようにということでしょうか。Tuba は二人です。

創立当初は確か 25才が定年だったはずですが、現在はそれは廃止されたようです。
でも全体的に若いですね。
テンションが高くてエネルギッシュです。これはこのウィンドオーケストラのカラーでしょう。

繰り返し視たくなってしまいました。


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